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ICT教育

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

昨日、文部科学省で、デジタル教科書の位置付けに関する検討会議が開催されました。この会議は、大学教授をはじめ、教育現場の校長先生や教師、教育委員会、PTA、教科書出版社、IT企業などの委員によって構成されています。
教育の情報化が進むなか、政府の方針や主体的学習の必要性の高まりを受け、教科書のあり方、デジタル教科書の教育効果と制度的な位置付け、費用負担のあり方などを検討していくことがこの会議の目的で、1年半をかけて検討が行われます。

情報通信技術(ICT)を活用した教育を「ICT教育」といいます。授業で生徒一人ひとりにタブレット端末を持たせ、動画や画像をすぐに参照したり、紙媒体では表現しにくい立体の構造を視覚的に理解しやすくしたり、授業中の教師と生徒がリアルタイムに課題のやり取りをしたりすることができます。
試験的にタブレット端末を使用した授業の映像をいくつか見たことがありますが、子どもたちは「楽しい」という子が多く、評判はよさそうです。

ICT教育には多くの可能性が秘められていて、うまく導入すると子どもたちを大きく伸ばすことができるとわたしも思っています。
特に紙媒体では表現しにくい「動き」や「3次元」、教師との課題の個別のやり取りなどに関しては絶大な効果を発揮するでしょう。教師側も非常に教えやすくなり、子どもの理解のスピードや理解の深さも向上すると思います。

しかし、これがあまりにも進みすぎるのも問題だとわたしは思っています。

欲しい情報をすぐに得られることは確かに便利ですが、じっとしていても必要な情報が「自動的に」自分の目の前にやってくるわけで、子どもたちはどうしても「受け身」になってしまいます。また、子どもたちが楽しく感じているタブレット端末ですが、それを使うことが当たり前になり、目新しさがなくなってもなお、子どもたちは楽しいと感じてくれるでしょうか。

成長は「小さな負荷」を乗り越えることで実現します。少し面倒だけど自分で調べてみよう、少し大変だけどノートに自分でまとめよう・・・。
便利すぎることは、その「小さな負荷」がなくなるということです。「小さな負荷」がなくなると、子どもの成長もありません。

教育の目的は、子どもを成長させることです。
その根本的・絶対的な目的を見失うことなく、日本の教育が向上していくことを願っています。

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