8.42015
国語の問題文のいろいろな問題
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
入試の過去問を見てみると、国語の論説文や小説文の本文が掲載されておらず、設問だけが掲載されていることがあります。
設問だけ掲載されても・・・と思いますが、これには著作権をはじめとするいろいろな問題がからんでいるようです。
通常、ある文章を使用するためにはその著者に承諾を得る必要がありますが、入試問題については漏えいを防ぐために著者に「お伺い」をたてるのは事後でよく、入試が行われた後に著者への連絡をするようです。
現在の日本では、このときに使用料は支払わないことが多く、著者は、自分の文章が掲載された過去問が本(いわゆる「赤本」)になるときまで著作権料が入ってこないらしいのです。
著者が自分の作品の掲載を拒否した場合、入試問題集や過去問集に文章の本文が掲載されなくなります。
自分の文章がすべて使われるわけでもなく、多くの人に自分の文章が読まれることは喜ばしいことなのに、なぜ掲載を拒否するのだろう?金銭的な折り合いがつかなかったのかな?・・・だとしたら何かイヤな感じだな・・・とわたしは思っていました。
しかし、それだけでもないようなのです。
問題文で使用された自分の文章の「入試での正解」が、その著者の本当の主張とは異なる場合があるというのです。また、ひどいときにはその「正解」を導きやすいように、問題作成者が文章に加筆修正を加えている場合もあるとのことです。
これが本当ならばひどいハナシです。著者は文章を通じて社会に発信・主張をしているのに、その自分の主張が曲げられているわけです。
これなら掲載を拒否する気持ちも理解できます。
問題作成者が自分でオリジナルの文章を書くことができれば一番よいのでしょうが・・・作家でもない人がそんな文章なんて書けませんしね。