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教師五者論

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

「教師は『五者』であれ」と言われることがあります。
五者とは、学者・役者・医者・易者・芸者のことです。

「学者」とはしっかりとした学力や知識を持つことです。
教師は子どもに学問を教えるのですから、学力や知識は当然有していなければならないものです。

「役者」とは惹きつける魅力を持つことです。
教師は子どもの前では表情豊かに大げさな動きである種「演じ」、子どもを惹きつけて感動させなければなりません。

「医者」とは問題点を見つけて処方箋をひくことです。
教師は子どもの状況を把握し、問題点を改善するためのアドバイスや指導をすることが求められます。

「易者」とは子どもを見ぬいて可能性の道を開いてあげることです。
教師は子どもの隠れた適性を見出し、その子の将来の可能性を広げていかなければなりません。

「芸者」とは学ぶことが楽しくなるような環境をつくることです。
教師は子どもが少しでも楽しく前向きに学ぶことができるように常に工夫をしなければなりません。

学力や知識が圧倒的に豊富で、明るく魅力があり、クールで的確な指導ができて、可能性を見抜き将来を示唆してくれて、学ぶことを楽しませてくれる教師。
確かに理想の教師像です。

この「教師五者論」、わたしが新人教師時代に先輩から言われたことです。
それから数十年が経っていますが、わたしはいまだに五者のどれも極めることはできていません。

子どもたちは未熟な存在です。子どもたちを育てるためにわたしたち教師は「努力しなさい」「成長しなさい」「がんばりなさい」と言います。
しかしわたしたち教師もまだまだ未熟な存在です。子どもたちににがんばれと言うたびに自分も子どもたち以上にがんばるべきで、そうやってこれら五者の道を進んでいく・・・これが教師修行というものだと思います。

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