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質問をしてきた子に言ってはいけない言葉

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

教師をしていると、子どもたちから教科の内容についての質問を受けることがよくあります。
家庭でも、特に小学生のあいだは、親が子どもの質問を聞いてあげることも多いのではないでしょうか。
このとき、質問に来た子どもに、大人が言ってはいけない言葉があります。

「こんな問題も分からないのか」

です。

分からない問題がある。自分で解きたいのだけど分からない。でもこの問題が分かるようになりたい。子どもはそう考えて質問をしに来ます。
自分で解けなかったことに少しの挫折感を感じながら、それでも前向きに考えてその問題ができるようになるために、プライドを曲げて大人に助けを求めて来るのです。

そのときに最初にかけられる言葉が「こんな問題も分からないのか」だったら・・・。

大人は軽く言っているつもりですが、子どもは「こんな(簡単な)問題も分からない(くらい、お前はバカな)のか」と受け取ってしまいます。
さらにプライドにキズがつき、何かバカにされたような気持ちになり、モチベーションが低下します。もし教師がこの言葉を言ってしまうと、それを言われた子どもは以後はその教師に質問しなくなるでしょう。

わたしは20年以上教師をしていますが、質問をしに来た子どもにこの言葉を絶対に言いません。
「分からないところを分かりたいと思う気持ち」を持ったことは素晴らしいことだからです。

その気持ちは尊重します。その子とやり取りしながらどこまでさかのぼればよいのか見定め、その子の知識の定着度と理解のスピードに合わせてできるだけ丁寧に説明します。
説明し終わった後、自分で何も見ずにできるようになるまで、同じ問題だけど何度質問しにきてもいいよ、と言います。
実は子どもは一度質問しただけでは分かっていないことも多く、同じ質問を2回以上することに引け目を感じて遠慮してしまうこともあるからです。

大人の一言は子どもに大きく影響します。質問した子に「こんな問題も分からないのか」と言うことは、子どもにマイナスを与えてしまうのです。

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