3.92015
ポイントになる式
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
数学で方程式などの計算をするときに、正解できるかミスしてしまうかの分かれ道、つまりポイントになる式があります。
例えば、分数形の方程式の計算で分母を払った瞬間の式はポイントになる式です。
この式を書くのと書かないのとでは正答率に大きな差が出ます。
子どもたちに思い思いに計算をさせると、必要な式を飛ばして書いていたり、書くだけ時間のムダになるような式を書いていたり、効果的ではない方法で計算してしまうことがめずらしくありません。
例題の解説をするとき、わたしは式変形の過程を必ず書いて、子どもたちに「見せて」います。
そしてポイントになる式の脇に、「『もと分子』にカッコをつける!」とか「必ず書く!」などと一言書き込みます。
また逆に、この解説では(意味がつかみやすいように)書いていますが、子どもたちが実際に解くときには時間のロスになってしまうので書く必要のない式も示します。
わたしは、完全に慣れて計算ミスがゼロになるまでは、ポイントになる式を必ず書くように指示します。
宿題などのノートをチェックするときにも、その式が書かれていなければ書くように指導します。
書くべき式と書かなくてもよい式。
ポイントになる式を必ず書くようにさせただけで計算ミスの数が激減した子もいます。
教師はこういう細かいところにも気をつけて、子どもたちが教えたとおりにできるようになっているかを確認しなければなりません。
教師のアタマの中にある思考回路やテクニックは、子どもたちのアタマにコピーすることはできません。
ですから、子どもたちのアタマの中に自分と同じ思考回路やテクニックを形成するために、式ひとつ書く書かないということにもこだわって子どもたちに指導しなければならないのです。