5.22015
長期記憶
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
記憶には長期記憶と短期記憶があります。
勉強の内容を暗記するためには、覚えることを長期記憶にしてしまうことが重要です。
脳の中には、「海馬(かいば)」とよばれる、タツノオトシゴのような形をした部分があります。日常的な出来事や勉強を通して得た新しい情報は、まず海馬の中に入って整理整頓されます。海馬は情報を取捨選択し、そこで選ばれたものが大脳皮質に入り、長期記憶となります。
つまり、海馬に選んでもらえた情報が長期記憶になるわけです。選んでもらえなかった情報は記憶に残らない、つまり忘れてしまいます。
勉強で暗記したいことを長期記憶にするためには、その覚えたい情報を海馬に選んでもらえればよいことになります。
すべての情報を長期記憶にしてくれればよいのに・・・と思いますが、すべての出来事が長期記憶になってしまったら大変なことになります。例えば1日で見たこと聞いたことすべてを覚えてしまっていたら、町ですれ違った見知らぬおじさんの顔や、聞いた車内アナウンスの内容などが全部残ることになります。また、自分にとって不快なことも一生覚えているわけです。これはちょっといやですよね。
海馬は、「繰り返し入ってくる情報」と、「インパクトのある情報」を「重要な情報」と判断し、大脳皮質に送ります。
覚えたい情報に意図的にこれらの要素を付加すれば、海馬に選んでもらえます。
「繰り返し入ってくる情報」にするためには、反復、つまり復習をすればよく、「インパクトのある情報」にするためには、自分の好きなものに関連付けたり、視覚だけでなく聴覚や触覚など、多くの感覚器を働かせればよいのです。
脳のこういう働きを知ることで、上手に暗記をすることができるのです。