10.152015
筆圧と字の上手さと学力
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
小学低学年において、筆圧と学力には相関関係があるとよくいわれます。
確かにわたしのこれまでの教師生活の中でも、小学生で筆圧が弱い子は学力はあまり高くない傾向があると思います。
字が上手な子は学力が高いと思われますが、字が上手でなくても学力が高い子はいます。
わたしは、学力により密接な関係があるのは「字の上手さ」よりも「筆圧の強さ」だと考えています。
筆圧が強いということは鉛筆がしっかりとコントロールできているということです。筆圧が弱い子はこのコントロールがうまくできないので字も上手に書けず、ミミズがのたうちまわっているような字になってしまいます。
また、指先を器用に使うことは脳を活性化させます。認知症の予防のため手先を使う趣味をする人もいますね。
「筆圧の強さ」が「字の上手さ」につながり、「筆圧の強さ」が「学力向上」につながるのです。
筆圧が強いのに字が上手でない子は、鉛筆をコントロールする能力はあるのですが、ていねいに書くのが面倒で雑な字になってしまっています。
そういう子に「ゆっくりとていねいに書いてごらん」と言って目の前で字を書かせると、とても上手に書いてくれます。筆圧の弱い子に同じことをさせてもそれほど上手に書くことはできません。
のち、小学高学年や中学生になると、筆圧が強いままでていねいに書いているとスピードが追いつかなくなります。そうなると筆記速度を上げるために力を抜くテクニックを自然に体得し、小学生のときのような丁寧で濃い文字をだんだん書かなくなってきます。
このころになると、鉛筆をうまくコントロールできる能力が完全に備わっているので、筆圧が少々弱くなろうと問題はありません。
筆圧は正しい鉛筆の持ち方から身につきます。
しっかりとした筆圧を身につけることは、上手な字と高い学力の基礎になるのです。