12.62014
咀嚼(そしゃく)
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
授業で教師が説明をしているとき、子どもたちは教師の方を見て、おとなしくそれを聞いています。
学校や塾での「いつもの風景」です。
しかしその時、それぞれの子どもたちの意識レベルにまで入り込んでみると、そこには大きな違いがあります。
それは、
「咀嚼(そしゃく)して聞いているかどうか」
ということです。
視線を教師の方に向けて、教師の話を黙って聞いているように見えても、全く聞いていない子がいます。
いや、正確に言うと、「全く」聞いていないわけではありません。聞いているのですが、教師の言葉を「音」として聞いていて、意味のある「言葉」としては聞いていないのです。何かBGMを聞いている感じに似ていると思います。
教師の話にときどきうなづいているのに、内容をほとんど咀嚼してないツワモノ(笑)もいます。
経験の浅い教師はこれでだまされます。
「ちゃんと聞いてるんですけどねぇ・・・分かってないんですよ」
以前勤務していた大手塾でも、後輩の教師によく相談されました。
内容を咀嚼して聞いているかどうかを確認する最も簡単な方法は、あてることです。
ある子にあてます。話を「BGM」として聞いている子は、
「?」
となります。そこで、
「今先生に何を質問された?」
と聞くと、
「『線分ABの長さ』です」
と、直前に聞いた「音」を返してきます。
「そう。長さはいくら?」
と聞くと、そこではじめて意味のある「言葉」となり、その子の思考がはじまります。
「・・・3cm」
思考のスタートが遅れているで、数秒後に答えます。
「そう、正解」
授業の聞き方は「習慣」です。習慣を変えるのは長期の指導が必要です。
陽塾ではそういう習慣もじっくり指導したいと思っています。