10.22014
前へ進むためにときどき後ろを見る
こんにちは。陽塾代表の原田基生です。
わたしは、毎回の授業で実施する小テストを作成するとき、問題のレベルを少しずつ上げています。
でも、子どもたちにさせるときは難しくしていることをあまり言いません。
難しくなっているのに、知らん顔してこれまでと同じ制限時間でテストを行います。
そして満点を取れなければ居残りです。
本来ならば、徐々に難しくしたテストで満点を取り続けることが理想ですが、現実はそんなにうまくはいきません。
子どもたちは、毎回やっていてもなかなか一発で満点取れない・・・と思っているはずです。
そんな中で、ときどき以前の簡単なレベルの問題をこっそりさせるときがあります。
もちろん知らん顔をしてです。
「用意、はじめ」
子どもたちから「あれ?」という感じが伝わってきます。
すらすらできるのです。
初めてやった時には時間が足らなかった子も時間が余ります。
ちょっと笑ってしまっている子もいます。
・・・
「はい、終わり。じゃあ答案を交換して相互採点して」
得点報告をさせます。
多くの子が満点を取れています。
たまにミスして満点を逃してしまっている子もいますが(泣)
ここで「ネタばらし」をします。
「今日の問題は以前、○月○日にやったテストそのままです。
その時のみんなの得点はこうでした。
・・・(以前の名簿を見てみんなの得点を発表していく)・・・
その時は時間が足りなかった子もいたよね。
昔はしょぼかってんなぁ~(笑)
でもみんな今日は簡単やと思いながらやったやろ?
できるようになってるよな?
これが『成長』です。
みんな知らんうちに『成長』してるんやで。すごいな!」
子どもたちが笑顔になります。
目にちょっとした自信とやる気が宿ります。
山に登るとき、途中で振り返って下の景色を見わたして「ここまで登ってきたんや」と少しうれしくなる感じです。
ときどき「後ろ」を振り返り自分の成長を確認することで、また少し「前へ」進む力が出るのです。