2.282018
入試出題ミスは合否に影響する
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
昨年度の大学入試において、大阪大学と京都大学で合否判定に影響する出題ミスが発覚し、1年近くたってから追加の合格者を出す事態となったことは記憶に新しいと思いますが、先日行われた今年の京都大学の入試でまた出題ミスがありました。
ミスが見つかったのは、26日に行われた京都大学の2次試験の化学の問題です。
京都大学によりますと、試験が始まってから2つの小問に誤りがあることがわかり、この2つの小問を削除、受験生には試験時間中に監督の教員から解答しないよう伝えられたということです。この日の入試では、これ以外にも化学で11件の訂正、物理で4件の補足説明がありましたが、問題の削除や訂正は試験終了の30分前までに伝えられており、合否には影響はないとしています。
「合否に影響はない」?
はたして本当にそうでしょうか。
わたしは、訂正用紙等で試験開始直後に知らされる訂正は受験生全員が公平だと思いますが、試験の途中で知らされるミスは得点に影響が必ずあると思っています。
試験監督から訂正がされる前に、いくらがんばっても解けない問題に時間をかけてしまい、そのために他の問題を解く時間が少なくなってしまった受験生がいるかもしれません。また、そのことに動揺して普段の力が出せない受験生もいるかもしれません。これは明らかに不利で、得点には影響が出てしまうでしょう。
大切な試験時間を無駄に費やしてしまった受験生に、その時間をどうやって返すのでしょう。
入試問題は、受験生の人生を左右するといっても過言ではありません。
受験生はこれまで長い間、合格するために勉強に没頭し続けてきたのです。入った大学は自分の人生に大きく影響を及ぼすことになります。
問題作成者もチェック者も、単に制度上・手続き上のチェックだけでなく、入試問題の「重さ」を想像して仕事をしなければいけないと思います。