12.252014
ピグマリオン効果
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
ピグマリオン効果とは、
「人間は期待された通りの成果を出す傾向がある」
という主張で、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールによって提唱されました。
教育現場での実験として、アメリカの小学校で、ある特別な知能テストを行いました。
そのテストについて、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明しました。
ところが、そのテストには意味はなく、学級担任には、無作為に選ばれた子どもたちの名簿を見せて、この子たちが今後数ヶ月の間に成績が伸びる子たちだと伝えました。
そしてその後、その「期待された」子たちの成績が本当に向上したのです。
学級担任がその子たちに期待して無意識に指導に力が入ったことと、子どもたちがその期待を感じて応えようと努力したことが、成績向上の要因であるとされています。
この説には批判もあるようですが、わたしはこれまでの経験上、この効果はあると考えています。
大手塾に勤務していたときにこんなことがありました。
普段の成績はそれほど良好ではなかった子が、クラス替えのテストでたまたま非常に優秀な成績を取って、最上位のクラスに入りました。
最上位のクラスの担当者たちはそれまでの担当者たちとは違う教師でした。つまり、最上位のクラスの担当者たちは、その子の普段の成績をあまり知らなかったのです。
「クラス替えテストでこの最上位クラスに来たニューホープ」として、教師たちに期待されて指導を受けていました。
そうすると、その子は本当に学力が向上し、二度と元のクラスに落ちることはありませんでした。
過剰に期待しすぎると子どもは重荷に感じてしまうことがありますので、子どもにかける「期待レベル」は難しいですが、やはり親も教師も子どもに期待し、前向きに励まして育てることが、その子を成長させる大きな要因であると思います。