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たずねない子

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

先日、社会の居残り再テストをしていると、ある子が「輪中」と書くべきところを「輸中」と書いて持ってきました。まあちょっと似た字ですが・・・(笑)
わたしは当然その箇所にバツをつけ、「正しい答えを書いて持ってきなさい」と言って答案を返却しました。
その子はしばらくして間違えた欄の横に「輪中」と正しく書いて持ってきました。
「そうですよね」と声をかけ、その場で答案を伏せて口頭で問題文を読んで質問しました。
「木曽川・長良川・揖斐川下流の低地には・・(中略)・・堤防で囲んだ集落を何といいますか?」
簡単な確認です。その子はさっきチェックした「輪中」と答えれば終了です。

しかし、その子はなぜか答えません。

「さっき自分で書いてきた言葉やで?」と言うと、その子は「・・・読み方が分かりません」と言ったのです。

なんと、読み方も分からない言葉をその子は覚えようとしていたのです。
これではしっかりと覚えることができません。

その子はその読み方を授業で聞き洩らしたのでしょう。
授業終了後、再テストを受ける前に一言たずねれば済むのに、その子はそれをしませんでした。

たずねない理由は、聞くのが恥ずかしいとか、授業中に聞いていなかったことがバレるからとか、こんなことも読めないのかと言われそうとか、いろいろあると思いますが、総じて心境は「臆病」です。

「慎重」という程度の臆病さは必要ですが、臆病すぎると伸びません。勉強とは自分の知らないことを知る、できないことをできるようにすることですので、知らないことやできないことを卑下する必要などありません。
「教えてください」と一言たずねれば、もっともっと吸収することができると思います。

そういう子からは、「臆病」からの脱却を手助けしてあげる必要があります。
子どもにたずねる勇気を持たせ、かつ、たずねやすい空間・雰囲気を作ることが教える側の仕事です。

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