5.232015
おぜん立て
こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。
整理整頓が苦手な子がいます。
カバンの中を見ると、もらったプリントがぐちゃぐちゃになっていて、テキストやノートが無造作に入っています。当日の授業で使わないテキストが入っていたり、逆に当日使うノートが入っていなかったりします。
宿題を書くシート(学習管理シート)も忘れることがあるので、指示された宿題の連絡をノートの端やプリントの裏に書いたりしていて、必要な情報が管理シートに集まってきません。
そういう状態を見ていると、カバンの中を整理して必要なものとそうでないものを分け、プリントをまとめ、勉強すべきページに付箋をつけ、その子が勉強にすぐに入ることができるように「おぜん立て」をしたい衝動に駆られます。
しかし、わたしはここでちょっとガマンをします。
授業中には時間の関係でできませんが、授業の前後や勉強会のときなどに、その子を呼び出して向き合って座り、一つひとつの教材や文房具を、その子と話しながら自分で整頓させます。
ぐちゃぐちゃになっているプリントは机の上に出させ、きれいにのばしてから改めて丁寧に折らせます。
表紙に何も書いていないノートには、ノートの表題と自分の名前をその場で書かせます。
その日に勉強すべきページがいろいろなページに分散しているときには、付箋を渡してそのページに貼らせます。
そして、するべきことをその子に指示し、勉強に戻します。
わたしの指示のもと、目の前で、その子にそれらのことを「自分で」させるようにしているのです。
不器用に作業をするのでとても時間がかかります。横から手出ししてわたしが自分でやってしまった方が何倍も速いのですが、そこはじっと辛抱して、指示だけ出してその子の作業を見守ります。
大人が「おぜん立て」をいつもしてしまうと、子どもは自分からおぜん立てをすることができなくなってしまいます。
また、こういうことは一度指導してすぐに次からできるようになる、というたぐいのものではありませんので、同じ指導を何度も繰り返すという、継続的な指導が必要になります。
まさに「忍」の一字です(笑)
子どもは必ず成長します。そのことを信じて、長い目で見て、粘り強く指導を続けることが大切なのです。