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「他人のため」の落とし穴

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

「フォア・ザ・チーム」という言葉があります。
自分のことは二の次にして、チームや組織・他人のためにわたしは一所懸命がんばります、というやつです。
とても素晴らしい精神です。
もちろん教育にもこの精神は必要で、親が子どものために、教師が子どものために尽くすことは必要なことです。

しかし、あまりにも自分のことを顧みずに自己犠牲的になってしまうと、ちょっとおかしなことになってきます。
著しい自己犠牲を伴う「他人のため」は、物語としては美談ですが、現実にはあまり健全な状態ではありません。
お釈迦様やイエス様のような聖人でもない限り、いつの間にか見返りを期待するようになってしまうのです。

こうなってしまうと、「わたしはこの人のために尽くしているのに、なぜ報われないのか」と思ってしまったり、「わたしはこれだけあなたのことを思っているのに、あなたはなぜ分かってくれないの?」とか、「自分がこれだけやったのだから、あなたもなにかわたしのためにやるのは当然のことだ」と、相手への要求が生じてしまいます。
「他人のため」と思って始めた行動がいつの間にか「自分のため」になってしまっています。

自分が満たされる前に、相手を満たすことはできません。まずは、自分を大切にして心身ともに健康でいることが大切です。子どもを教育する立場の親や教師こそが、まずは充実した正しい生活を送らなければならないと思います。

それができてはじめて、本当に見返りを求めずに「他人のため」に健全に動くことができるようになるのではないでしょうか。

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